米国・雇用統計07月 ~前哨戦のADP雇用者数は前月より悪化、今夜の雇用統計は要警戒~
それでは、まず米国・雇用統計の前回結果と事前予想について、確認をしておきましょう。
事前予想と前回の結果を比較すると、失業率は「11.1%→10.5%」と若干の改善が予想されるものの、非農業部門雇用者数は「480万人→150万人」と増加数が減少しています。
やはり背景としては、米国での感染拡大継続により増加幅は前月より落ち込むと予想されています。
また、8月5日に発表された前哨戦の「ADP雇用者数」の数値を把握しておきましょう。
「事前予想が120.0万人」に対して「結果が16.7万人」と予想を大きく下回っている点から、多くの投資家が米国雇用統計の結果にも警戒感を示す形となっています。
以上のことから、非農業部門雇用者数・失業率ともに事前予想を下回ってくるようなら、素直にドル売りの流れになる可能性は高いと判断できます。
また雇用統計のような経済指標を利用したトレードの仕方については、下記をご一読下さい。
記事:【FX】ファンダメンタルズ分析を学んで勝ちトレーダーになる!【役立つ】
ドル円 相場見通し ~事前予想から大きく乖離しなければ、105.00円-106.00円間での値動きを予想~
今週のドル円は、月曜日に今週の高値である「106.40円」まで上昇するも、その後はピリッとしない展開。
ADP雇用者数の結果が悪かったことや米中対立リスク懸念や米追加緩和観測の高まりなど上値を抑制する要因が続き、じりじりと上値を切り下げて下落し、一時「105.30円」まで下落。
反発を見せるも、米国雇用統計を控えて値動きは控えめ。執筆時点(2020/8/7 16時)の価格レートは「105.50-60円」となっています。
4時間足 ~フィボナッチの23.6%ラインから61.8%ラインを想定~
それでは、ドル円の4時間足チャートを確認しましょう。
現状のドル円は、8月3日に到達した「106.40円」を高値に、上値を切り下げて下落しています。
フィボナッチの50.0%ライン(☆2)の地点から約2日間ほど「105.30円-60円」の狭い範囲での値動きとなっています。
RSIもほぼ水平線となっており、米国雇用統計待ちという状況です。
それでは、米国雇用統計の結果によって、いくつかのトレードシナリオを想定してみましょう。
売りシナリオ①:雇用統計の結果が事前予想よりも悪かった場合
雇用統計の結果が予想よりも悪かった場合は、売りエントリーを行います。
短期の移動平均線(赤色)+フィボナッチの38.2%ラインを背に売っていきます。
利益確定のポイントはフィボナッチの50.0%ライン付近でしょう。結果が予想外に悪かった場合は、もう一段下のフィボナッチの61.8%ライン付近を目指すことになります。
・利益確定ポイント:「105.00円-30円」
・損切ポイント:「105.80円」
売りシナリオ②:雇用統計の結果が事前予想と同等の場合
雇用統計の結果が事前予想とほぼ同等の場合だった場合は、売りエントリーを狙います。
ただし、「売りシナリオ①」のパターンとは違い、戻り売りを狙います。
ドル円自体はドル売りの材料が多く、円高ドル安目線なため、中期の移動平均線(水色)を目安に売りエントリーを仕掛けていきたいところです。
・利益確定ポイント:「105.30円」
・損切ポイント:「106.10円」
買いシナリオ:雇用統計の結果が事前予想よりも大幅に良かった場合
雇用統計の結果が事前予想よりも大幅に良かった場合は、ADP雇用者数で警戒している中でサプライズとなりますので、買いエントリーを狙うことになります。
利益確定ポイントは節目の106円となります。
・利益確定ポイント:「106.00円」
・損切ポイント:「105.20円」
まとめ
最後にこの記事のまとめを記載しておきます。
・米国雇用統計の結果が事前予想と同程度だった場合は、戻りを待った売りエントリー
・米国雇用統計の結果が事前予想よりも大幅に良かった場合は、買いエントリー
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