今回の記事では、FXの取引で使う主な2つの分析手法である、「テクニカル分析」についてご紹介いたします。
「テクニカル分析」を学べばFXの取引を有利に進めることができるようになり、利益を出せる機会も増えますので、是非この機会に理解をしましょう。
また、もう一つの分析手法である「ファンダメンタルズ分析」については、別の記事にまとめていますので良ければ確認してみてください。
・【FX】ファンダメンタルズ分析を学んで勝ちトレーダーになる!【役立つ】
テクニカル分析って何?
そもそも「テクニカル分析」とは、過去から現在までの為替や株のチャートの価格推移を元にして、将来の相場を予測する分析手法のことを指します。
価格の推移を元に分析を行うため、過去チャートから類似するパターンを探し出して相場の予測を行うことがメインとなります。
ちなみに「チャート」とは下記のような図を指します。
縦軸が価格、横軸が時間軸を示しており、時間軸を短期~長期である程度自由に設定することができます。
ちなみに、この図はドル円の月足ですが、1本の線が一か月分の値幅を表します。そのため、1番右端の線は2020年3月の値動きを表示しており、3月は101円~111円の値動きが起きたということがわかります。
この1本ずつの線を見比べるだけでも、2020年3月は他の月と比べれても、大きく値動きがあるんだということがチャートから見てとれます。
またチャートにはトレーダー心理が反映されるとも言われており、基本的にはほとんどのトレーダーがチャートを見た上で取引を行っています。
そのためトレーダーが意識するポイントが重なる部分も多く、そういったポイントでは値動きが荒くなることもしばしばあります。
そのようなチャートに表れるトレーダー心理を読みながら売買のタイミングを図ることもテクニカル分析と言えます。
FXで活用すべきテクニカル分析とは?
「テクニカル分析」の種類は多岐にわたり、それぞれに特徴があります。
まず大きく分類すると「トレンド系」と「オシレーター系」の二つに分けることができます。
ご自身のトレードスタイルによって有効となる手法は変わりますので、試行錯誤をした上でご自身にとって1番合うものを選びましょう。
「トレンド系」:相場のトレンドを把握する、または将来的な発生を予測する
「オシレーター系」:買われ過ぎ、売られ過ぎなど相場の過熱感を判断する
テクニカル分析 ー「トレンド系」ー
それではトレンド系のテクニカル分析について確認しましょう。
トレンド系は相場のトレンドの方向や強さを判断することができます。
特に強いトレンドが発生している時に同じ方向にエントリーすることができれば利益を大きく伸ばすことができる手法です。
確実に押さえておくべき手法は下記の3種類です。
1.移動平均線
2.ボリンジャーバンド
3.パラボリック
1.移動平均線
そもそも「移動平均線」とは、「過去の一定期間の終値の平均値を線で結んだもの」です。今のレートと平均線を比較して、将来の値動きを予測します。
図で言うところの紫の線が、「移動平均線」です。ローソク足が移動平均線より上にある場合は、買いが強い上昇傾向にあり、下にある場合は売りが強く下落傾向にあると言えます。
「移動平均線」は、恐らく世界で最も多くのトレーダーが利用しているテクニカル分析です。
そのため、この「移動平均線」については、チャート分析をするに際して、1番最初に理解をする必要があるテクニカル分析手法とも言えます。
「移動平均線」だけを使ってシンプルにトレードを行う人もいれば、他のテクニカル分析と組み合わせてよりトレードの精度を高めるために使う人もいます。
2.ボリンジャーバンド
「ボリンジャーバンド」も非常に有名で多くのトレーダーが利用しているテクニカル分析となります。
「ボリンジャーバンド」では、標準偏差という考え方を用いて、チャートの動きを予測することができます。
基本的なチャートの値動きが、図で言うところの紫色のバンド(帯)の中で収まる確率を統計学の手法で計算したものです。
ボリンジャーバンドの詳細な内容については、下記記事を合わせてご一読ください。
記事:ボリンジャーバンドとは?順張り・逆張りどちらも使えるおすすめのテクニカル分析【FX】
3.パラボリック
「パラボリック」はここまでご紹介した「移動平均線」や「ボリンジャーバンド」と比較するとマイナーではありますが、非常にわかりやすくトレンドの転換点を見極めることができるトレンド系のテクニカル分析となります。
パラボリックは、図で言うところの紫色のラインで、チャートの上または下に放物線のラインを表示するテクニカル指標で、主に相場のトレンド転換点を探る時に有効的です。
ラインが上にあるときは売り目線、ラインが下に切り替わると買い目線となります。
本当にシンプルでわかりやすいテクニカル分析手法であり、筆者イチオシです。
ダマシを避けるために、他のテクニカル分析と組み合わせると更にエントリー精度を高めることができます。
テクニカル分析 ー「オシレーター系」ー
それでは続いて「オシレーター系」のテクニカル分析についてご紹介致します。
「オシレーター系」はトレンド分析とは違い、相場の過熱感を判断する時に使用します。
レンジ相場(方向感がない相場)であったり、トレンド分析だけでは判断できない場合は、このオシレーター分析の出番となります。
確実に押さえておくべき手法は下記の3種類です。
■筆者がオススメするトレンド系のテクニカル分析 3選
1.RCI ※筆者イチオシ
2.RSI
3.ストキャスティクス
1.RCI
RCIは「Rank Correlation Index」の略称で、順位相関係数と言います。
「時間」と「価格」それぞれに順位付けを行い、両者に対する相関性を計算することで相場の傾向を捉えることを目的とした指標で、オシレーター系指標に分類されます。
筆者イチオシのテクニカル分析手法となります。詳細記事も書いていますので、よろしければ確認してみてください。
基本的な確認ポイントとしては、RCIが80を上回る水準に到達すると買われ過ぎ、-80を下回る水準に到達すると売られ過ぎと判断することができます。
そのため図のような、-80のラインを下から上に抜けるタイミングは売られ過ぎているので、そろそろ買い戻しが入ると予測ができます。
そのような状況で買いエントリーを行うことで利益を狙いに行く手法となります。
2.RSI
RSIは「Relative Strength Index」の略で、日本語では相対力指数と呼ばれています。一定期間において買われ過ぎ、売られ過ぎを示すテクニカル分析で、逆張りのトレードに適しています。
上の図の青のラインを確認してください。
基本的な使い方は、70~80以上で買われすぎ、20~30以下で売られすぎを示しています。
先述している「RCI」との違いは計算手法が違います。RCIは計算をする際に値幅を考慮しないのに対して、RSIでは値幅を考慮します。
また、注意点としては「RSIが70以上になって買われ過ぎている。だから売りエントリーをする。」であったり「RSIが30以下になって売られ過ぎている。だから買いエントリーをする。」といった判断は誤りです。
相場のトレンドが強く出ている時は、RSIが70以上になっても上昇し続ける場面というのはしばしばあります。そしてそういう時こそ、大きく損失を出していまいかねない相場なので注意しましょう。
あくまで過熱感が強いという認識を持つに留めておくのが無難でしょう。
3.ストキャスティクス
「ストキャスティクス」は先ほどご紹介した「RSI」と似た性質を持つテクニカル分析となります。
「%K」と「%D]という曲線を用いてエントリーをするポイントを図ります。
RSIと同じように、図のように「80%」以上は買われ過ぎ「20%」以下は売られ過ぎと判断することができ、逆張りトレードで有効なテクニカル分析となります。
ただし、RSI同様に強いトレンドが発生した時は、「80%」以上・「20%」以下を維持し続けることもあるので、その点は認識をしておきましょう。
テクニカル分析をオススメの学習法は?
デモトレードで経験を積む!
いかにテクニカル分析について勉強し、知識がついたとしても、実際にトレードで活かせるようになるのは難しいでしょう。
テクニカル分析は前のセクションで紹介したように、一長一短で万能なテクニカル分析は存在しないからです。
そのため相場の状況次第で非常に有効となるテクニカル分析が存在すれば、全く役に立たないテクニカル分析も存在します。
そして、それはトレーダー各自の取引環境にも左右されます。短期トレーダーの人が有効と感じるテクニカル分析と長期トレーダーの人が有効と感じるテクニカル分析、これも違いが出てくるでしょう。
重要なのは自分にとって有効と言えるテクニカル分析を見つけることです。そのためには、自分でトレードを実践して見つけるしかないのです。
勿論いきなり実際に自分の資産を使うのを躊躇う方も多いと思いますので、まずはFX業者が用意しているデモトレードを使用して、テクニカル分析を試行錯誤すると良いでしょう。
そこで自信を付けることができたら、実際に余裕資金でトレードを始めてみましょう!
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