また、先週(2021年11月22日~11月26日)のドル円・ユーロ円・ポンド円・豪ドル円に関する記事も下記から合わせてご確認いただけます。
ドル円 相場見通し ~ドル円は年初来高値を更新するも、週末のコロナ変異株検出報道で暴落~
11月22日週のドル円の値幅は最大で「2.471円」となりました。
先週比で高値を上回るも(年初来高値を更新)、安値終値は下回る結果となっています。
今週はポジティブなニュースとネガティブな大きなニュースがそれぞれありましたね。
まずポジティブなニュースですが、パウエルFRB議長の再任が決定されたことで米金融政策の不透明感が後退することになりました。
この報道を受けて、市場は好意的に捉えてドル円は年初来高値を更新したわけですが、週後半にかけてこの上昇を打ち消すネガティブなニュースが待っていました。
ネガティブなニュースは、ご承知の通りでしょうが、南アフリカで新型コロナウイルスの変異株が検出されたことです。
今回の変異株は高い感染力を持つ恐れがあることが伝えられると、相場は急変。
リスクオフ相場到来により、株式市場が大暴落、債権が買われたことで利回りも低下したことで、ドル円も暴落(115円台前半→113円台前半)することになりました。
次週もコロナ関連のニュースには注意を払い、相場の急変リスクに備えるようにしましょう。
そんなドル円に関する11月29日週の注目すべきイベント・経済指標は下記の通りです。
今年最後の米雇用統計を始め、要人発言や重要な経済指標が多くあり、激動の1週間となる可能性大です。
11月30日:日本雇用統計(10月)、パウエルFRB議長・イエレン米財務長官証言
12月1日:米自動車販売(11月)、米ADP雇用者数(11月)、
米ISM製造業景気指数(11月)、米地区連銀経済報告(ベージュブック)
12月2日:米新規失業保険申請件数(27日終了週)、クオールズFRB理事講演
12月3日:米雇用統計(11月)、米製造業受注(10月)、
米ISM非製造業景気指数(11月)
日足チャート エントリーポイント解説
【環境認識】
・週末に大陰線で20日移動平均線を下抜ける
・日足のパーフェクトオーダーは終了
・RCIは短中長期線の全てが下向き、売り優勢を示唆
【移動平均線】
現在レート:113.318円
20日移動平均線:114.100円
50日移動平均線:113.151円
100日移動平均線:111.501円
200日移動平均線:110.385円
上記の環境認識を踏まえると、来週のドル円は売り買いどちらも狙える相場であると考えています。
週末の状況を見ると、売り優勢であると思えるかもしれませんが、短期の強い上昇トレンドは終了したものの、中長期の上昇トレンドは終了してはいません。
故に中長期目線では買いエントリーを仕込みたいとの意図があります。
暴落している時に買うのは勇気がいりますが、一度に買うのではなく段階的に買うと将来的には良い結果になることが多いですね。(経験談)
具体的なエントリーポイントは下記の通りとなります。
・「111.90円~115.00円」:南アフリカの変異株報道を端を発した、一種のパニック相場となっており短期的には売り優勢も神経質な値動きを想定。
一方で中長期はドル高相場であると考えており、50MAや100MAなどの支持線で買いポジションを段階的に仕込みたい。
ユーロ円 相場見通し ~下落トレンド継続で年初来安値の更新を想定~
11月22日週のユーロ円の値幅は最大で「1.81円」となりました。
先週比で高値、安値、終値の全てを下回る結果となっており、弱気相場は継続しています。
欧州では新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化、経済指標の低迷などユーロ自体にポジティブな要素が見いだせない展開が続いています。
加えて先述の南アフリカの変異株の件もあり、円買いが強まっており、次週も基本的には戻り売りで利益を狙うことになりそうです。
そんなユーロ円に関する11月29日週の注目すべきイベント・経済指標は下記の通りです。
ドイツ・調和消費者物価指数(速報) 11月
11月30日:ユーロ・消費者物価指数(HICP)(概算値速報) 11月
12月1日:ドイツ・小売売上高 10月
12月2日:ユーロ・生産者物価指数 10月、ユーロ・雇用統計 10月
12月3日:ユーロ・小売売上高 10月
日足チャート エントリーポイント解説
【環境認識】
・下落トレンド継続
・20MAが50MAと200MAをデッドクロス
・RCIは短中期線が水平、長期線が下向きで売り優勢を示唆
【移動平均線】
現在レート:128.248円
20日移動平均線:130.245円
50日移動平均線:130.530円
100日移動平均線:130.032円
200日移動平均線:130.567円
上記の環境認識を踏まえると、来週のユーロ円は売り優勢であると考えています。
具体的なエントリーポイントは下記の通りとなります。
・「126.80円~129.40円」:売り優勢、129円台にかけての戻り売りを狙う。週明け早々に安値更新をするようなら売りエントリーで下落トレンドに乗る。
ポンド円 相場見通し ~長期の上昇平行チャネルの下限をブレイク、長期上昇トレンド崩壊~
11月22日週のポンド円の値幅は最大で「3.534円」となりました。
先週比で高値、安値、終値の全てを下回る結果となっています。特に安値と終値は大幅に下落していますね。
繰り返しになりますが、南アフリカの新たな変異株検出の報道が市場に不安感を広げ、リスクオフ相場の到来による大幅下落に繋がっています。
今週だけの一過性の値動きなのか、週明けに見極める必要があります。次週もリスクオフ相場が続くようなら150円割れの可能性もあり得ますし、一方でポンドは相当売り込まれたので反発した時の値幅も大きくなることは想定しておきましょう。
そんなポンド円に関する11月29日週の注目すべきイベント・経済指標は下記の通りです。
日足チャート エントリーポイント解説
【環境認識】
・20MAを超えきれず、週末の大陰線で長期の上昇平行チャネルの下限をブレイクしての越週
・RCIは短期長期線が下向き、中期線は水平で売り優勢を示唆
【移動平均線】
現在レート:150.671円
20日移動平均線:153.604円
50日移動平均線:153.699円
100日移動平均線:152.635円
200日移動平均線:152.465円
上記の環境認識を踏まえると、来週のポンド円は売り優勢であると考えています。
具体的なエントリーポイントは下記の通りとなります。
・「149.40円~153.00円」:売り優勢、152台にかけての戻り売りを狙う。ボラティリティが拡大しており中途半端なポイントでのエントリーは厳禁。
豪ドル円 相場見通し ~82円ラインをあっさりと下抜け、長期の上昇トレンド崩壊の可能性大~
11月22日週の豪ドル円の値幅は最大で「2.796円」となりました。
先週比で高値、安値、終値の全てを下回る弱含みの展開となっています。
ポンド同様にリスクオフ相場では売り優勢であるのは仕方ありませんが、支持線として期待された82円をあっさり下抜けて、80円割れすら視野に入る値動きを見せています。
29日週の豪ドルはリスクオフ相場が継続するのかどうかが非常に重要なポイントとなります。
そんな豪ドル円に関する11月29日週の注目すべきイベント・経済指標は下記の通りです。
12月2日:豪・貿易収支 10月
日足チャート エントリーポイント解説
【環境認識】
・82円ラインをあっさりと下抜け
・上昇平行チャネルの下限を下抜け
・RCIは短期長期線の全てが下向きで売り優勢を示唆
【移動平均線】
現在レート:80.664円
20日移動平均線:83.460円
50日移動平均線:83.106円
100日移動平均線:81.851円
200日移動平均線:82.902円
上記の環境認識を踏まえると、来週の豪ドル円は売り優勢であると考えています。
具体的なエントリーポイントは下記の通りとなります。
・「78.80円~81.80円」:売り優勢、リスクオフ相場継続なら売りエントリーで利益を伸ばす。一方でコロナ関連のニュースが落ち着くなら、反発の上昇を狙うのも検討の余地あり。
まとめ
最後にこの記事のまとめを記載しておきます。
各通貨のエントリーポイントのまとめ
・想定レートは「111.90円~115.00円」:南アフリカの変異株関連で短期は売り優勢ですが、中長期目線では買いポジションを仕込むチャンスと捉えます。
また来週は米雇用統計を始め、主要な経済指標や要人発言も多く、激動の1週間となる公算大。
・想定レートは「126.80円~129.40円」:基本的には129円台にかけての戻り売りを狙う。ユーロ自体にポジティブな要素が少なく売りエントリーで利益を伸ばしたい。
・想定レートは「149.40円~153.00円」:リスクオフ相場が継続するかを見極める必要がある。継続なら売り目線で150円割れを期待できるが、変異株関連のニュースが落ち着きを見せるようだと大きく売り込まれたことで反発時の動きに警戒。
・想定レートは「78.80円~81.80円」:ポンド円同様にリスクオフ相場が継続するかを見極めることを重視する。継続なら売りエントリーで利益を伸ばす。
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