【日銀・FRB・ECB・BOE・RBA】各主要国の政策金利の推移・金融政策をまとめる

この記事では、各主要国の政策金利の推移・金融政策をまとめています。

日本

日銀政策金利

「日銀政策金利」とは、日本銀行が年8回開催する日銀金融政策決定会合において決定される日本の政策金利です。トップは2023年4月より植田日銀総裁。

2016年1月にマイナス金利が導入されて以降、今日(2023年6月時点)まで短期金利「-0.1%」が継続しています。※長期金利は「±0.50%」。

日本の政策金利(2023年6月時点)

日本の政策金利(2023年6月時点)

金融政策・スタンス

現在の日銀が掲げる金融政策は2点。

1点目が「2%の物価安定の目標」です。

ここで言う2%とは、「消費者物価指数(※生鮮食料品除く)の前年比上昇率で2%」と定義されています。

ちなみに、日本の消費者物価指数は2022年4月以降は「2.1%」以上で推移(直近の2023年5月の結果は3.0%)していますが、日銀としてはまだ安定的に持続している状況には至っていないという判断らしいですね。

2点目が「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」です。

これは先述の「2%の物価安定の目標」を安定的に持続するための処置となる。つまり「2%の物価安定の目標」が達成されていないので、大規模な金融緩和政策を継続している状況にあります。

米国

FRB政策金利

「FRB政策金利」とは、年8回のFOMC(米連邦公開市場委員会)にて決定される金利です。

FOMCのトップはパウエルFRB議長。

2023年6月時点でFRB政策金利は「5.25%」となっており、マイナス金利の日本との金利差が鮮明となっています。

アメリカの政策金利(2023年6月時点)

アメリカの政策金利(2023年6月時点)

※5月→6月にて据え置きとなっているが、直近6月のFOMCに少なくとも2023年中に、後2回の利上げを実施する可能性が高い事が示唆されています。

金融政策・スタンス

金融緩和政策を推し進める日本と違い、金融引き締めのスタンスが強いのがアメリカです。

インフレ率を2%(直近の米消費者物価指数は前年比:4.0%)に下げるため、2022年3月(政策金利:0.50%)から異例のペースで政策金利の利上げを実施しています。

2022年6月の米消費者物価指数の「前年比:9.1%」がピークで、徐々に2.0%に向けてインフレ率が下がってきています。

ただ、未だにインフレ率は「4.0%」あり、インフレ率を「2%」に下げるためには、大多数のFOMC参加者が2023年内に追加の利上げが適切だろうと判断しているようです。

少なくとも2023年中は金融引き締め政策が続くことが想定されます。

ユーロ

ECB政策金利

ECB(欧州中央銀行)のトップはラガルド総裁。

2023年6月時点でECB政策金利は「4.00%」となっており、マイナス金利の日本との金利差が鮮明となっている。

ユーロの政策金利(2023年6月時点)

ユーロの政策金利(2023年6月時点)

※利上げは8会合連続で実施し、インフレ抑制を継続している。

金融政策・スタンス

アメリカ同様にユーロも金融引き締め政策のスタンスを強めています。

実際に1年間で「-0.50%」→「4.0%」まで急ピッチで利上げを実施しています。

また、直近(2023年6月)の会合では、ラガルドECB総裁より、「現時点でインフレ抑制は十分ではなく、今後も一段の引き締め」が示唆されています。

引き続きECBによる利上げ実施の可能性が高いと考えられます。

英国

英中銀政策金利

イングランド銀行(英中央銀行)のトップはベイリー総裁。

2023年6月時点で英中銀政策金利は「5.00%」となっており、マイナス金利の日本との金利差が鮮明となっている。

英国の政策金利(2023年6月時点)

英国の政策金利(2023年6月時点)

※直近の会合も前回会合から「0.50%」の利上げを実施しており、インフレ抑制に向けて動きを強化していることが確認できます。

金融政策・スタンス

ユーロ同様に、英国でも金融引き締め政策を継続しています。

特に英国では、1980年代以降で最悪のインフレ抑制取り組みを強化する必要があり、今後の追加利上げについても示唆されています。

直近の利上げ(予想を上回る0.50%の利上げ実施)の動きから、どの国よりも金融引き締めの動きを強めていると考えられます。

最終的な政策金利は「6.00-6.25%」に達する確率も高まっているとの報道もあり、現レートから更に「1.00-1.25%」の利上げ余地があると市場では予想されています。

豪州

豪中銀政策金利

オーストラリア準備銀行(RBA)にて政策金利を決定しています。年11回開催(1月は夏休み期間で休会)。

トップはロウ総裁。

2023年7月時点で英中銀政策金利は「4.10%」となっており、マイナス金利の日本との金利差が鮮明となっている。

豪州の政策金利(2023年7月時点)

豪州の政策金利(2023年7月時点)

金融政策・スタンス

RBAは再び金融引き締め政策を推し進めています。

2023年4月に利上げを据え置いたものの、インフレいつが過度に高い水準に留まるリスクに警戒感を強めており、2023年5月より利上げを再開しています。

今後もインフレ抑制に向けて、追加利上げが必要となる可能性を示唆しており、インフレ率の動向を睨みながら金融引き締めスタンスを強めています。

まとめ

各主要国の金融政策は以下の通り。

【金融緩和】
日本
【金融引き締め】
アメリカ、ユーロ、英国、豪州
日本以外がインフレ率抑制に向けて、金融引き締めを推し進める形となっています。
金融政策の違いによる各国間の政策金利の拡大は、為替相場で円安が強まっている理由の大きな要因となっており、引き続き各主要国の金融政策・スタンス・政策金利の動向を注視していきます。

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