米国雇用統計6月 ~前哨戦のADP民間雇用者数は予想を下回る~
まず、米国雇用統計の前回結果と事前予想値について確認しましょう。
先月の結果と比べると、非農業部門雇用者数、失業率ともに更に改善に向かうと予想がされています。
先月は事前予想よりもはるかに良い結果となったことで、一気にリスク選好ムードが高まるポジティブサプライズとなりました。
今月もそれに続くことができるのかが注目点でしょう。
また、昨夜発表された前哨戦ともいえる「米ADP民間雇用者数」ですが、こちらは「予想:290.0万人」に対して、「結果:236.9万人」と予想を下回る結果となりました。
経済活動は再開しつつも、景気回復のペースは鈍化しつつある兆候が示唆されています。
一方で同じく昨夜発表された「アメリカ・ISM製造業景気指数 06月」については、「予想:49.7」に対して「結果:52.6」と予想を上回る結果となりました。
「ISM製造業景気指数」については、景気の先行指標と見なされており、50を上回ると好況、下回ると不況を意味しています。
今年の2月以来の「50超え」ということで、こちらはポジティブ要素として捉えることができます。
これらの結果を受けて、本命の「米国雇用統計」ですが事前予想を上回るか下回るかの予想自体は難しいですが大きなサプライズとはならないと考えています。
そのため基本的には事前予想と結果を比較し、良ければリスクオン継続、悪ければリスクオンに水を差す形と判断することになります。
また雇用統計といった経済指標を利用したトレードの仕方については、下記をご一読下さい。
記事:【FX】ファンダメンタルズ分析を学んで勝ちトレーダーになる!【役立つ】
ドル円 見通し ~押し目買いを狙う、ただし108円台は重たい印象~
今週のここまでのドル円は、月曜日・火曜日と順調に上昇し「108円台」に到達するも、水曜日にはそこから大きく反落し「107.40-50円」付近で推移しています。(2020/7/2 17:00時点)
大きく反落したとは言いましたが上昇のトレンドラインは崩れていないため、基本的には押し目買いを狙うも108円台は重たい印象をチャートからは受けます。
4時間足 ~トレンドラインを目安に押し目買い継続~
それでは、ドル円の4時間足チャートを確認しましょう。
まずは現状を整理します。
執筆時点(2020/7/2 17時)でのドル円は「107.40-50円」付近を推移しています。
フィボナッチの50.0%ラインで価格上昇を始めたポイントを始点に引いたトレンドライン(ピンク)についても、現状は押し目のポイントとして機能していることが確認できます。
108円台の滞在時間、反落した際の陰線から、「108円台」は重たい印象を受けます。またRCIは短期線が「-80」に到達後、反発の傾向を示しています。
以上のことから、基本軸はトレンドラインタッチで押し目買いを狙いつつ、利益確定ポイントは「108.10円」となります。
それを踏まえて米国雇用統計の結果によって、いくつかのトレードシナリオを想定できます。
買いシナリオ:雇用統計の結果が予想よりも良かったもしくは同じ場合
基本的には雇用統計の結果が予想よりも良かった場合、または同程度であれば、買いエントリーを狙うことになります。
特にトレンドラインに沿った値動きになっているので、このトレンドラインを意識して買いエントリーを行いましょう。
利益確定ポイントは前日高値の「108.10円」が目安となります。やはり108円台は重たい印象を受けますので、利益確定はしっかりと行った方が良いでしょう。
・利益確定ポイント:108.10円
・損切ポイント:106.90円
・リスクリワード比:「1:1.5」
売りシナリオ:雇用統計の結果が予想よりも大きく悪かった場合
気を付けるべきは雇用統計の結果が予想よりも大きく悪かった場合です。
若干悪い場合は当てはまらないので注意です。
大きく悪い結果となった場合はネガティブサプライズとなり、ドルが売られる展開が想定されます。
エントリーポイントは雇用統計前のレートによって変化しますが、結果を見てからなので追撃売りエントリーとなります。
下値は堅いため、「106.50円」付近が利益確定のターゲットとなります。
また106円台まで落ちてくるようなら、中期的には軽く買っておくのもありでしょう。
いずにれせよ雇用統計発表後の値動きについては要注意となります。
・利益確定ポイント:「106.50円」
・損切ポイント:「107.70円」
・リスクリワード比:「約1:2」
まとめ
最後にこの記事のまとめを記載しておきます。
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