米国・雇用統計11月 ~非農業部門雇用者は伸び悩み、失業率は改善の予想~
それでは、今年のこれまでの米国雇用統計の結果を振り返りましょう。
前回の2020年10月分の結果と比べると、今回は非農業部門雇用者は伸び悩み、失業率は改善が見られる事前予想となっています。依然として米国では1日当たりの新型コロナウイルス感染者数は10万人以上となっており、ワクチン接種が間近と迫りながらもコロナ禍からの雇用に関する本格的な回復にはまだまだ道のりは険しいといった印象を受けます。
米国雇用統計は前回結果との比較、そして事前予想との比較の2点が重要となってきます。
非農業部門雇用者数、失業率について事前予想と比較して、結果が良し悪しを必ず意識するようにしましょう。
また水曜日に発表された前哨戦の「アメリカ・ADP雇用者数11月 」では、事前予想「44.0万人」に対して結果「30.7万人」と予想を下回る結果となったことから、雇用統計の好結果を期待するのは難しいと推察することができます。
加えて、現在は「非常に強いドル安」の流れがある点も見逃せません。
ドルの強さを示す「ドルインデックス指数」は2018年4月以来の低水準となっており、ドルの弱さは顕著です。
加えてワクチン期待感によるリスク選好ムードにより、ユーロ・ポンド・豪ドルなどの通貨が買われやすい状況にあり、各通貨ともに対ドルで急伸を見せている事を踏まえると、今年最後の「米国雇用統計」は戻り売り狙いが基本戦略となるでしょう。
ドル円 日足チャート 相場見通し ~104円台は絶好の売り場、雇用統計の結果が悪ければ、11月6日安値の103.10円台のトライを想定~
それでは、ドル円の日足チャートを確認しましょう。
日足チャートを確認すると、明確な下落トレンドであることが確認できます。
現在は下落平行チャネル内のセンターライン付近での値動きとなっており、「103.982円(2020年12月4日18時時点)」となっています。
各移動平均線と一目均衡表の雲を確認しておきましょう、20MA(短期)は水平、100MA(中期)・200MA(長期)は下向きということで、中長期的にはドル円は戻り売り狙いのトレードとなります。
一目均衡表の雲も移動平均線や下落平行チャネルラインに沿う形で下落雲が厚くなっていることが確認できます。
これらの現状を踏まえて、具体的には104円台前半(20MA)を目安に打診売り、104円台半ばから後半にかけて追加で売りエントリーを狙うことになります。
下値余地は「①103.70円」、「②103.10円」を想定します。「①103.70円」は直近でもサポートされているラインであり、「②103.10円」は11月安値のラインであり、意識されることでしょう。
「①」のラインに到達で半分を決済、「②」のラインで残り半分のポジションを決済となるようなトレードが理想です。
また100MA・下落平行チャネルの上限を明確にブレイクしたら損切と考えておくと、ご自身の資金状況から最適なリスクリワードに適したトレードポイントが模索できます。
さて、唯一気を付けるべきは、米国雇用統計が予想よりもはるかに良い結果だった場合、ある種のサプライズ的な後押しが必要だと考えています。
例えば、「非農業部門雇用者数が60万人以上、失業率は6%前半に改善」といったような結果が出ると、流石に目先はドルが買われる要因となります。
週末のポジション調整を相まって買い戻される可能性もあるので、突っ込み売りだけは避けるように注意しましょう。
まとめ
最後にこの記事のまとめを記載しておきます。
・米国雇用統計の結果が事前予想よりも悪化した場合は、積極的に売りエントリー
・米国雇用統計の結果が事前予想と同程度だった場合は、積極的に売りエントリー
・米国雇用統計の結果が事前予想よりも大幅に良かった場合のみ、買いエントリーを検討も戻りを待っての売りエントリーの方が無難
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