6月1日からの1週間は、リスク選好で為替・株価ともに大きく上昇した1週間となりました。
背景には、先進国を中心に外出規制の緩和、経済活動の再開を受けた期待感、ECBによる予想を上回る金融緩和政策など、ポジティブ要素が多く挙げられます。
そして最後の後押しなった、6月5日(金)に発表された米国雇用統計は事前予想よりも遥かに良い結果となり、ドル円・NYダウ平均株価は急騰する結果となりました。
米国雇用統計05月については、筆者の事前に想定した「フィボナッチの23.6%ラインで押し目買い」が予想的中しています。記事は下記からご一読頂けます。
記事:失業率に注目!リスクオン相場で迎える米国雇用統計05月 ドル円FX相場見通し【2020年6月5日】
それでは、リスク選好ムードが広がる相場について、来週1週間の相場分析を行います。
ダウ平均株価 相場見通し~米中対立、抗議デモを乗り越え27000ドル復活~
ダウ平均株価の上昇の勢いが止まりません。
初週こそ、米中対立や米国内での抗議デモという懸念材料から、日足陰線となったものの、その後は4日連続で続伸しており、1週間の最大の値幅は「約2000ドル」となっています。
リスクオン相場が継続する限りは、底堅い動き、そして「28000ドル、29000ドル」と言った上値を模索する事となります。
日足 ~フィボナッチの78.6%を日足終値で超えれるかに注目~
前述した通り、初週こそ陰線となっていますが、その後は上昇の勢いは止まらず。
フィボナッチの61.8%ラインをサポートラインとして、「26000ドル」~「27000ドル」と過去に揉み合ったポイントを突破しています。
チャート図の「①」のポイントを確認すると、コロナショックでの暴落時には戻り売りのポイントになっていることがわかります。
そのため、週明けの値動きとしては、フィボナッチの78.6%ラインを突破しきれるかが注目のポイントになります。
そしてこのラインを抜けると「28000ドル」までは目ぼしいレジスタンスラインもなく、すんなり上昇することが想定できます。
逆にフィボナッチの78.6%に阻まれたとしても、「26000ドル」からフィボナッチの61.8%ラインにかけてはサポートラインとして機能することが考えられ、押し目買いを狙う絶好の機会となるでしょう。
フィボナッチのテクニカル要素と世界中が経済政策・金融緩和策を打ち出しており、ファンダメンタルの後押しもあることから、来週も株価は底堅い動きを見せると考えれます。
現在のNYダウ平均株価はフィボナッチのラインが機能しており、トレードシナリオを組み立てる際に非常に有効です。フィボナッチに関する記事は下記からご一読頂けます。
記事:【フィボナッチ】勝てるおすすめのテクニカル分析【FX】
ドル円 相場見通し ~心理的節目110円到達なるか~
今週の高値と安値の値幅は「2.473円」と、平常時のドル円は「1円」前後の値動きなわけですから、「約2.5倍」のボラティリティとなりました。
先週のドル円の値動きについては、下記記事よりご確認頂けます。
記事:【FX】中国の報復に警戒!来週のドル円・NYダウ相場見通し【2020年6月1日~5日】
雇用統計を始め、米国の経済指標が事前の予想と比較して好調だったこともあり、相場全体のリスク選好ムードから円安ドル高となった1週間。
心理的節目である「110円」手前に迫るなど、来週の値動きにも注目が集まります。
日足 ~上昇トレンド継続で押し目買いを狙う、心理的節目110円付近での値動きに注目~
それでは、ドル円の日足チャートを確認しましょう。
ドル円は4日連続で続伸、先週までのレンジ上限だった「108.10円」、200SMAを上抜けています。
米国雇用統計05月の好調な結果を受けて、終値(109.568円)でフィボナッチの23.6%ラインを上抜けており、強いチャートの形が伺えます。
RCIも短期線・中期線・長期戦いずれも上向きの形となっていることから、基本的には押し目買いを狙うのが来週のトレードシナリオとなります。
注意点としては、心理的節目である「110円」が直前に迫っていることです。
更に「①」の「110円ミドル」付近は長期足での下落平行チャネルの上限である点から、スイングトレードでの売りポイントとして認識ができます。
そのため、週明けはフィボナッチの23.6%をサポートラインとして認識し、109円前半で押し目買いを狙いながら、110円付近での値動きに注意を払いながらのトレードとなるでしょう。
4時間足 ~フィボナッチの23.6%ラインで押し目買いを狙う~
それでは、ドル円の4時間足チャートを確認しましょう。
上位足である日足チャートを確認したように、フィボナッチの23.6%ラインで押し目買いを狙いたいところです。
押し目を作らず上昇した場合は、「110円」前後の値動きに注目したい。
揉むようなら短期トレードでの売りも検討できます。
いずにせよ買いから入りたい場面ではありますが、110円~110.50円にかけては売りエントリーの根拠もあるため、上値は重いと想定できます。
また、これまで世界的な段階的な経済活動再開の期待感で上昇してきたのが大きいだけに、景気回復の期待は織り込みつつあります。
来週は6月11日(木)03:00よりアメリカ・FRB政策金利(FOMC)が予定されており、YCC(イールドカーブコントロール)についての議論もなされます。
長期金利利回りが下落するようだとドル売りの契機となりかねいので、議論の結果には注意が必要でしょう。
いつかは「リスクオン相場」が終焉することも間違いないので、ファンダメンタルにも警戒した上でのトレードを心掛けましょう。
まとめ
最後にこの記事のまとめを記載しておきます。
・その他の米国経済指標も軒並み良好
・フィボナッチの61.8%ラインから「26000ドル」にかけて押し目買い狙い
・フィボナッチの23.6%ラインで押し目買いを狙う
・心理的節目である「110円」での値動きに注目
・110円半ば付近はスイングトレードでの戻り売りポイント
・来週は6月11日03:00よりFOMCがある点に注意
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