5月25日からの1週間は米国株・欧州株・日本株と世界中で株高となりました。
背景には主要国における段階的な経済活動の再開が挙げられます。
日本においても、緊急事態宣言が関東圏・北海道でも解除され、徐々にではありますが日常が戻っており、通勤電車は既に8~9割くらいの混雑となっています。
ただしポジティブな要素だけというわけではなく、ネガティブな要素としてコロナウイルスの感染の再拡大や米中対立への懸念は依然として意識しておくべきでしょう。
特に米中対立の問題については、週末にトランプ大統領が中国に対する制裁として、「香港に認めている優遇措置を見直す手続きに入る」と発表があり、株価上昇の鈍化につながっています。
また為替においては、今週の主役はユーロ。
背景には、欧州連合(EU)の加盟国を支援するため、「7,500億ユーロ」の復興基金を設ける計画が打ち出されることを市場は前向きに捉えました。
結果として、ユーロ・ポンドなどの欧州通貨が対ドル・対円で買われることになり、筆者としてはユーロは中長期的には売りと想定していましたが、予想外の上昇により戦略を練り直す必要に迫れています。
来週は米国雇用統計など重要な経済指標も控えており、今週同様にボラティリティに期待したいところです。
ファンダメンタルズ分析も非常に重要な期間となっていますので、トレードに役立つファンダメンタルズ分析に関する記事についても、是非ご一読下さい。
記事:【FX】ファンダメンタルズ分析を学んで勝ちトレーダーになる!【役立つ】
1週間の振り返り 【米中対立関連の報道に振り回される相場へ】
・香港情勢を巡る米中対立が懸念材料、トランプ大統領の制裁処置に対する中国の反応に要注意
NYダウ平均株価 【フィボナッチの61.8%ライン、25000ドル台を維持できるかに注目】
それでは、NYダウ平均株価の日足チャートを確認しましょう。
先週は25000ドルの壁をあっさりと超えて、最終的には「25000ドル」を維持して終えています。
来週は米中対立という懸念材料がある中で、どう動くかがポイントとなります。
上昇する場合は「①」のポイントを見るとコロナショックでの暴落時に、揉んだポイントであることが確認できます。
そのため「26000ドル→27000ドル」とそれぞれで戻り売りを狙うトレーダーがいてもおかしくなく、上値は重いのではないかと想定できます。
では下落するかというと「②」のポイントを確認しますと、フィボナッチの61.8%ライン、そして25000ドルというレジスタンスラインとなっていた地点になります。
これまでレジスタンスラインで機能していたポイントが次はサポートラインとして機能するというのは珍しい話ではなく、週明けの値動きでサポートラインとなるかを確認してからのトレードが無難でしょう。
フィボナッチに関する記事はこちらをご一読ください。
記事:【フィボナッチ】勝てるおすすめのテクニカル分析【FX】
VIX指数(恐怖指数) 【20後半~30ポイントで推移】
それでは、続いてVIX指数(恐怖指数)の日足チャートを確認しましょう。
今週は「20後半~30ポイント」で推移しました。
米中対立の懸念もあり、20後半から更に下がる気配はありません。
来週は、米国・中国の報復合戦や経済指標の発表など相場が荒れそうな要素は多いので、VIX指数には要注意です。
おさらいになりますが、基本的にVIX指数が30を超えるとリスクオフ相場、40超えでパニック相場と判断ができます。
そのため現在のように30前後を超えるような水準で推移してる場合は、投資家心理として非常にネガティブで相場が急落し易くボラティリティが大きくなる可能性が高いと予測することができます。
VIX指数から「新型コロナ」に関する影響が株や為替に大きく影響しているのが読み取れます。引き続きVIX指数を定期的に確認して、取引を行うようにしましょう。
VIX指数については、詳細な内容を記事にしていますので、是非ご一読ください。
記事:【FX】VIX指数(恐怖指数)から相場を読み取る【勝つコツ】
ドル円 見通し 【レンジ相場は継続、雇用統計などの重要な経済指標に注目】
・経済活動の再開はポジティブ要因だが、米中対立のネガティブ要因で相殺
今週の値幅は「0.869円」と1円にも満たない水準となりました。
先週のドル円の値動きについては、下記記事よりご確認頂けます。
記事:【FX】香港を巡る米中対立!来週のドル円・NY株相場見通し【2020年5月25日~29日】
週末の金曜日は乱高下したものの、レンジブレイクとなるには至らず、107円台で推移しています。
米中対立でリスクオフ相場となっても、「ドル」・「円」ともに逃避先の通貨としての性質があるため、一方的な値動きとはなりづらく来週も引き続き107円台での値動きが続くことが予想されます。
レンジ相場であることを念頭に置いた上で、トレード戦略を組み立てましょう。
日足 【レンジ相場での逆張りトレードが基本戦略】
それでは、ドル円の日足チャートを確認しましょう。
先週のドル円の終値は「107.764円」で終えています。
ちょうどフィボナッチの38.2%ラインに被っています。ローソク足の実体が抜けきれてていないことから、週明けもレンジ相場継続の流れと考えられます。
そのため、レンジ上限(108.90円)、レンジ下限(106.80円)付近まで引き付けてのトレードを行うことを想定しています。
RCIは短期線が中期線をデッドクロスしてますが、中期線・長期戦は上向いていることから、日足レベルではやはりレンジ相場であると判断できます。
ただし、来週は「アメリカ・ISM非製造業景気指数 05月」、「アメリカ・雇用統計05月」など経済指標週間となります。
そのため、レンジブレイクとなり得る要因があるので、取引する際は当日の経済指標については、「みんかぶFX」を確認すると良いでしょう。
4時間足 【107円割れならず、週末に急騰しており来週明けの値動きには要注意】
それでは、引き続きドル円の4時間足チャートを確認しましょう。
4時間足を確認すると、週末の値動きの激しさが確認できます。
トランプ大統領が週末の金曜日に中国に対する制裁を発表するとの報道を受けて、ドル安円高となりました。
ただし実際の発表では、貿易合意の撤回や追加関税には言及しなかったこともあり、想定よりも厳しい内容とは成らず、ドルの買い戻しが行われ急騰。
相場は一変しドル高円安となり、下げ始めたポイントまで戻ってくることとなりました。
価格帯は黄色の点線の水平ラインで長らく推移しているため、できるだけ上限および下限付近での逆張りトレードが有効です。
ただし、やはり現在の世界情勢を考えると戻り売りを狙うほうがやや優勢という印象。
週明け108円にタッチするような値動きとなるのであれば、そこで売りエントリーを狙いたいと考えています。
エントリーポイント:「108.00円」
損切ポイント:「108.30円」
利益確定ポイント:「107.40円」
リスクリワード比:「1:2」
まとめ
それでは、最後にこの記事のまとめを記載しておきます。
・来週は「アメリカ・雇用統計05月」など経済指標週間
・世界情勢を考えるとやや売り目線が優勢、可能なら戻り売りを狙う
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