今週は経済指標やFOMCなどのイベントを受けて、株・為替ともに大きく動いた1週間となりました。
週末にかけては、米政府が中国に対して新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の責任を指摘し、米中対立の再燃が懸念されるなど、リスクオフの動きを見せました。
来週も経済指標やイベントが盛り沢山で、特にメインイベントの「アメリカ・雇用統計04月」の発表を控えており、相場の値動きには注意が必要となるでしょう。
引き続きファンダメンタルズで大きく左右される相場が継続していますので、ファンダメンタルズ分析を活かしたトレードも心掛けてみましょう。
ファンダメンタル分析に関しては、詳細な内容を記事にしていますので、合わせてご覧下さい。
1週間の振り返り リスクオンからリスクオフ相場へ
ダウ平均株価 「上値は25,000ドル、下値はフィボナッチの38.2%ラインを意識する」
それではダウ平均株価の日足チャートを確認しましょう。
ダウは先週末の好調な流れを引き継ぎ、週半ばまでは上昇を続けます。
しかし25,000ドルを前に反落。週末2日で「約1000ドル」の下落となり、「23,732ドル」で終えています。
週末にかけて、新型コロナウイルスに関して米中対立の再燃が報道されるなど、投資家心理が冷え込む形となっています。
「セルインメイ(SELL IN MAY)」、株は5月に売れという格言もあるように、大きめの下落の警戒はしておいても良いかもしれません。
ただし、ダウ平均株価については、2019年5月は陰線、2018年5月は陽線と必ずしも5月に下落しているわけではないので、あくまで頭の片隅に置いておくくらいで良いと思います。
シナリオとしては、やはり引き続きファンダメンタルに注目しつつ、上値・下値をそれぞれ確認しておきましょう。
上値は今回の25,000ドル台は意識すべきポイントとなるでしょう。
一方で下値はフィボナッチの38.2%ラインを参考に、一先ずは22,000ドル台まで押し目を作るかを確認しましょう。
来週は米国雇用統計が発表されるなど、経済指標週間となっているので、取引する際には必ずその日、何の経済指標が発表されるかを認識しておくようにしましょう。
・下値を模索する展開、フィボナッチの38.2%ラインを意識する
VIX(恐怖指数) 「米中対立懸念により週末に急騰、引き継ぎ注意を払う必要あり」
それでは続いて、VIX(恐怖指数)の日足チャートを確認しましょう。
VIXは週末に急騰。最終的には「37.2」で終えています。
先週が「35.9」だったことを考えると、やはり米中対立の影響を受けて、相場がやや不安定な状況となっていることが確認できます。
引き続きVIXには注意を払ってトレードを行いましょう。
おさらいになりますが、基本的にVIX指数が30を超えるとリスクオフ相場、40超えでパニック相場と判断ができます。
そのため現在のように30後半から40を超えるような水準で推移してる場合は、投資家心理として非常にネガティブで相場が急落し易くボラティリティが大きくなる可能性が高いと予測することができます。
VIX指数から「新型コロナ」に関する影響が株や為替に大きく影響しているのが読み取れます。引き続きVIX指数を定期的に確認して、取引を行うようにしましょう。
VIX指数については、詳細な内容を記事にしていますので、よろしければ合わせて確認してみてください。
ドル円 見通し 「107円割れで下値余地を模索」
・上値は重く、下値余地を確認する必要あり
始値:107.450円
高値:107.615円
安値:106.352円
終値:106.897円
高値と安値の値幅は「1.263円」となりました。
今週はついにレンジを下にブレイクしました。
しかしレンジをブレイクするも106円台で踏みとどまり、最終的に「106.897円」で終えています。
環境的には上値は重く、下値を模索する1週間となりそうです。
では、ドル円の日足チャートを確認しましょう。
ドル円 日足 「来週は米国雇用統計という燃料あり、チャートは三角持ち合いを形成中」
ドル円は107円を割れて106円台で推移しています。
下落傾向にあるのは間違いありませんが、来週は大事な1週間となりそうです。
まずは、チャートがフィボナッチの50.0%ラインと4月6日を頂点に下落トレンドラインが引けますが、ちょうど三角持ち合いになっています。
更に、5月8日(金)には米国雇用統計も控えており、上昇・下落どうなるにせよ燃料もあります。
この日足レベルで形成されている三角持ち合いを下に抜けるか、上に抜けるかが最重要ポイントとなります。
シナリオとしては、2つのパターンを想定しています。
ドル円を売りエントリー。ターゲットはフィボナッチの61.8%ラインを想定。
ドル円を買いエントリー。ターゲットはフィボナッチの38.2%ラインを想定。欲張るなら、200MAもあり。
また、今のドル円はフィボナッチが非常に有効に効いているので、是非この機会にフィボナッチについての記事を参考にトレードに組み入れて、有利に取引を行いましょう。
ドル円 4時間足 「106円台の突っ込み売りは避けて、107円台から売りエントリーを行う」
それでは続いて、ドル円の4時間足チャートを確認しましょう。
上値は間違いなく重たい印象ですが、4時間足でも「106.50円」付近はサポートラインとなっていることが確認できます。
このラインはフィボナッチの50.0%ラインがあり、まずは週明けこのラインを抜けるかが焦点となりそうです。
RCIは短期線が中期線をデッドクロスする形で1週間を終えており、まずはデッドクロスが確定することを確認したいところです。
いずれにせよ売り目線ではあるものの、106円台からの突っ込み売りは避けて、107円台からの売りエントリーを可能な限り行うようにしましょう。
買いで入る場合は、やはり「106.50円」付近まで引き付けるのが無難でしょう、ただし相場は米中対立の再燃によりリスクオフ相場になりつつあることを考えると、円高ドル売り寄りになり得るので、その点は意識をしておきましょう。
ゴールド 見通し 「小康状態、ボラティリティは落ち着く」
・週末にかけて米中対立の再燃によるリスクオフ相場で上昇
押し目買いを狙いたいゴールドですが、先週1週間を通して1710ドルから上は重い印象があります。
新型コロナウイルスに関する根本的な解決策が見出せない現状においては、やはりゴールドのような安全資産は買われやすい傾向にあるので、来週も基本的には押し目買いが有効でしょう。
それではゴールドの日足チャートを確認しましょう。
ゴールド 日足 「実線が明確に割れるまでは、フィボナッチの23.6%ラインで押し目買い」
ゴールドに関しては引き続き押し目買いを狙いたい。
しかし1710ドルから上にかけては上値は重い印象を受けるのも事実。
そのため、最低でもフィボナッチの23.6%ラインまで引き付けて買いを狙いたい。
そういう意味では先週末は1度取引機会が訪れたわけですが、RCIの短期線がデッドクロスをしているのが気になるところ。
損切ラインはシビアに設定してトレードをする必要があります。
またゴールドのような値動きの激しい特性のあるものをトレードする場合は、資金管理が重要となります。
資金管理については、別に詳細な記事を書いていますので、是非合わせてご覧ください。
ゴールド 4時間足 「売りも買いもポイントまで引き付ける」
それでは続いて、ゴールドの4時間足チャートを確認しましょう。
4時間足では、RCIは短期線が中期線・長期線をゴールデンクロスしており、上昇が見込めます。
まずは1700ドル台を超えて、どこまで行くかを確認したい。
相場がリスクオフかリスクオンになるか、株価の値動き次第なところもありますが、1740ドルにかけては軽く売りエントリーを狙ってみても良いかもしれません。
いずれにせよ買いも売りも、できるだけ引き付けてトレードするのがゴールドで利益を出すコツとなりますので、意識をしておきましょう。
まとめ
最後にこの記事のまとめを記載しておきます。
・リスクオフ相場となれば、株価の下落・円高傾向となる
・ドル円は107円台からの売りエントリーを狙う
・三角持ち合いの形成や、米国雇用統計がある点を意識する
・ゴールドは押し目買いが有効、ラインのギリギリまで引き付けるように意識する
また、ユーロ円・ポンド円の相場見通しについても記事を書いていますので、よろしければ確認してみてください。
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