今週は米国雇用統計の発表があり、衝撃的な結果となりました。
米労働省が5月8日発表した4月の雇用統計は非農業部門雇用者数が、
前月から2050万人減となり、1930年代の大恐慌(グレート・ディプレッション)以降で最大の落ち込みとなりました。
また、失業率についても、14.7%と戦後最悪の結果となりました。
ただしどちらの数値も、事前に予想されていた数値よりはやや低かったことや、市場はすでに悪化は織り込み済みだったこともあり、ダウ平均株価やドル円は上昇する反応を見せました。
米国雇用統計を消化し、欧米では経済活動の再開も段階的に行われるなど、ややリスクオンに傾きつつある相場ですが、来週も経済指標・要人発言・各国の動向には注視するようにしましょう。
引き続きファンダメンタルズで大きく左右される相場が継続していますので、ファンダメンタルズ分析を活かしたトレードも心掛けてみましょう。
ファンダメンタル分析に関しては、詳細な内容を記事にしていますので、合わせてご覧下さい。
記事:【FX】ファンダメンタルズ分析を学んで勝ちトレーダーになる!【役立つ】
ユーロ円・ポンド円の相場見通しに関しては、下記記事をご一読ください。
記事:【FX】3年ぶりに安値更新!来週のユーロ円・ポンド円相場見通し【2020年5月11日~15日】
1週間の振り返り 【経済活動再開の期待感で投資家心理は改善】
・経済活動再開への期待から投資家心理が改善の兆しあり
ダウ平均株価 【25,000ドルの壁を超えれるか、23,000ドル台での押し目買いが優勢】
それではダウ平均株価の日足チャートを確認しましょう。
今週は米国雇用統計が控えていたこともあり、週末までは「24,000ドル」付近で様子見ムードとなりました。
迎えた米国雇用統計において、結果が予想されていたよりもやや良かったこと、経済活動再開で投資家心理は改善され、株価上昇となりました。
23,000ドル台では底堅さを見せていることから、来週の注目点は「25,000ドル」を超えれるかになります。
懸念材料としては、先週の記事でも触れましたが「セルインメイ」という格言もあるように、5月に株価下落の可能性がある点は頭の片隅に入れておきましょう。
また依然として「米中対立」でのニュースについても、アンテナの感度を高めておくと良いでしょう。
以上を踏まえると、下落余地は限定的と考えると、一先ずは「23,000ドル台」、フィボナッチの38.2%ラインを目安に段階的に押し目買いを狙うのが無難な戦略となります。
・押し目買いが優勢、「23,000ドル」・フィボナッチの38.2%ラインを目安に段階的に買う
・米中対立、セルインメイなどの株価急落要因には注意
VIX(恐怖指数) 【2か月ぶりの20ポイント台へ】
それでは続いて、VIX(恐怖指数)の日足チャートを確認しましょう。
VIXは3月以来、2か月ぶりに20ポイント台の「28.0」で終えました。
VIX指数については、3月後半をピークに下落をしています。
しかしながら、感覚がマヒしていますが平時の水準を大きく上回っていることに変わりはありません。引き続きVIXには注意を払ってトレードを行いましょう。
おさらいになりますが、基本的にVIX指数が30を超えるとリスクオフ相場、40超えでパニック相場と判断ができます。
そのため現在のように30前後を超えるような水準で推移してる場合は、投資家心理として非常にネガティブで相場が急落し易くボラティリティが大きくなる可能性が高いと予測することができます。
VIX指数から「新型コロナ」に関する影響が株や為替に大きく影響しているのが読み取れます。引き続きVIX指数を定期的に確認して、取引を行うようにしましょう。
VIX指数については、詳細な内容を記事にしていますので、よろしければ合わせて確認してみてください。
記事:【FX】VIX指数(恐怖指数)から相場を読み取る【勝つコツ】
ドル円 見通し 【米国雇用統計を消化し、戻りを試す相場】
・米国雇用統計を消化し、戻りを試す
今週の値幅は「1.084円」と雇用統計の週としては寂しい結果でした。
週半ばまでは着実に下落を続け、一時的にとはいえ106円を割れて105円台にタッチする場面もありましたが全体を通して言えば乏しい値動きとなりました。
下落トレンドは継続していますが、それぞれ段階的な経済活動再開の動きが見られ、投資家心理は改善の兆しを見せていることから、ドル円の下値余地は限られると考えます。
来週前半は、雇用統計の結果を受けて、上昇をしたドル円の上値余地を確認することになるでしょう。
それでは、ドル円の日足チャートを確認しましょう。
日足 【平行チャネルの上限を抜けれるかが焦点、売りも買いも綱引き状態】
基本的には下落トレンドは継続していますが、米国雇用統計の結果が予想よりも良かったことを受けて、週末に上昇を見せました。
来週早々にも、平行チャネルの上限に到達間近となっています。
平行チャネルを根拠に、売りエントリーを仕掛けるなら「106.80円」が目安となります。
損切ポイントは「107.00円」越えに設定。利益確定ポイントは下値余地が限定的であると考慮すると「106.20~30」でしょうか、先週安値付近の「106.00円」はやや欲張りすぎかもしれません。
ただし、RCIの短期線が-80ラインを上抜けており、中期線をゴールデンクロスするなど上昇の兆しはあります。
平行チャネル到達時の勢い次第では売りエントリーを見送るほうが無難です。
またフィボナッチの50%ラインを目安に買いエントリーを仕掛けるのも一つの手ではあります。
いずれにせよ、ファンダメンタルズ分析を組み合わせて、投資家心理を見据えながらのトレードとなります。
4時間足 【売りは106.80円、買いは106.40円が目安】
それでは、続いてドル円の4時間足チャートを確認しましょう。
平行チャネルの下落トレンド内で長期間推移していることが確認できます。
4時間足チャートを見るとより「106.80円」で売りたくなります。
ただしこちらのRCIでも短期線・中期線・長期線が上向いている状態で、買いが強いことを示しています。
売るにしても損切ラインはシビアに設定しておくことをオススメします。
また今の状況では、買いも検討の余地があります。フィボナッチの50%ラインを目安に買いエントリーを仕掛けるのも面白そう。
「106.40円」で買って、損切ラインを「106.10円」、利益確定ポイントは先週の高値である「107.00円」とすると、リスクリワード比は「1:2」でトレードが狙えます。
ドル円は上値余地も下値余地も限定的な状況が続くと予想します。
ここ最近は1週間の値幅が「1円」前後であることを頭に入れて取引をすると良いでしょう。
ゴールド 見通し 【レンジ内での値動き、株価の値動き次第】
・ダウ平均株価の値動き次第
ゴールドの価格帯はフィボナッチの「0%~23.6%」とレンジ内での値動きとなりました。
今後は欧米での経済活動再開による、ダウ平均株価などの資産がどこまで買われるかによってゴールドの値動きも変わってくるでしょう。
とはいえ、新型コロナウイルスに関しては、根本的な解決の見通しは立っておらず、下値余地は限定的になると考えます。
基本的には押し目買いを狙ったトレードとなるでしょう。
それではゴールドの日足チャートを確認しましょう。
日足 【フィボナッチ23.6%を目安に押し目買い継続】
フィボナッチの「23.6%」がサポートラインとして機能しているのは明白でしょう。
ただし、上値は限定的であるという印象もあり、「数十ドル」単位でゴールドとしては細かく利益確定を狙うことになるでしょう。
買いエントリーのポイントはフィボナッチの「23.6%」が目安となります。
仮に「1680ドル」で買えた場合は、利益確定のターゲットは「1720ドル」で利幅は40ドル。
損切ラインの設定を「1660ドル」にすれば、リスクリワード比は「1:2」でトレードができることになるので、検討の余地はあります。
1週間に1回程度は買いの機会がありそうなので、まずはこのポイントを見逃さないようにしましょう。
売りエントリーのポイントは「1720ドル」より上のラインでしょうか。
こちらの場合は、利益確定のポイントは「1680ドル」で利幅は40ドル。
損切ラインの設定を「1740ドル」に置くとリスクリワード比は「1:2」でトレードができるので、売りの場合もできるだけ直近高値まで引き付けてから取引を行うようにしましょう。
特にフィボナッチの「23.6%」ラインは重要なポイントになるので、必ず押さえておきましょう。
また、今のゴールドはフィボナッチがが非常に有効に効いているので、是非この機会にフィボナッチについての記事を参考にトレードに組み入れて、有利に取引を行いましょう。
記事:【フィボナッチ】勝てるおすすめのテクニカル分析【FX】
4時間足 【週明け前半に1680ドル台での買いチャンスありか】
それでは、続いてゴールドの4時間足チャートを確認しましょう。
4時間レベルでも、レンジ内での値動きであることがより明確に確認ができます。
RCIの短期線が中期線・長期線をデッドクロスしており、ある程度の下落が週明け早々に想定されます。
上手くいけば、週明け早々にフィボナッチの「23.6」ライン、すなわち「1680ドル」台での買いエントリーが見込めます。
200MAもフィボナッチのすぐ下のラインに来ており、ある程度買いエントリーがし易いかと考えます。
ただし、外部要因としてダウ平均株価が「25000ドル」を超えるような急騰があった場合は、ゴールドも大きく調整することが考えられるので、その点には注意が必要です。
ゴールドを取引する際には、是非他の金融資産の値動きにも注意を払うようにしましょう。
まとめ
最後にこの記事のまとめを記載しておきます。
・売り目線だが下値余地は限定的で、買いも狙える相場である。
・RCIの4時間足チャートを確認すると、週明け早々にエントリーチャンスが見込める。
・株価急騰などリスクオン相場への変容には注意を払う。
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